サラリーマンにおける副業の経費はどうでしょうか?サラリーマンが副業の仕事を請け負うと、一部の経費が認められています。こちらはウェブデザイナーの副業でも当てはまります。
この記事では、副業でウェブデザイナーをしている方に向けて、副業の経費について解説します。
副業デザイナーにかかった雑所得の必要経費の範囲
副業デザイナーの確定申告は1年間の売上から必要経費を除いて、利益(課税所得)を算出します。青色申告者は青色決算書を作成する必要があり、「所得税の確定申告書」を作成して確定申告書として提出します。
収支内訳書は経費の計上が多いほど課税所得の負担が軽くなるため、経費はしっかり計上しましょう。副業デザイナーとして収入を得るためにかかった費用は「雑所得」の扱いとなり必要経費として認めれます。
所得税法「第5節 必要経費」に必要経費の詳細が定められています。
国税庁 所得税法(平成31年度(2019年度)版)第5節 必要経費 PDF
副業デザイナーの経費として認められる支出一覧
必要経費には直接的な費用と間接的な費用の金額があり、どちらも必要経費とすることが可能です。ただし、実際に副業デザイナーが経費をどこまで計上して良いのか判断することは難しいでしょう。
ウェブデザインはパソコンとネット環境が揃えば業務ができてしまうため、経費が少なくなる可能性があります。しかし、意外なものも必要経費として認められるので確認しておきましょう。
経費の区分けするには専門知識が必要となるため税理士に依頼すると安心です。(税理士費用が経費可能。)副業デザイナーは日頃から経費を計算しやすく領収書などをまとめておくと良いでしょう。
ウェブ関連ツール
ウェブデザインの業務をする上でオンラインクラウドサービス、サブスクリプションは欠かせません。
副業として業務を受託する上で、クライアントとの連絡ツールとして「ChatWork」や「Slack」、「Adobe」のサブスクサービスなどは仕事に必須ツールです。「Google Drive」や「Dropbox」などクラウドサービスの年会費もあります。
ウェブデザイナーが業務に使うソフトやオンラインサービスなどは経費として認められます。
パソコン・ペンタブ・スマホ通話料金・スマホ本体代金
クライアントとの連絡にスマホを使って打ち合わせをしたり、メールやファイルの交換をする機会は多いです。仕事のためにスマホを使っていれば、スマホ通話料金とスマホ本体代金も経費として認められます。
仕事上のウェブサイトを閲覧したり、仕事先との連絡に使っている場合、経費として計上して問題ありません。ただし、利用する目的や方法によっては経費として認められない可能性もあります。
プロバイダ費用・ブログ運営の手数料
自分のブログ・ウェブサイトを運営する上でプロバイダ費用、デザインテンプレートの購入など様々な費用が発生します。海外からサービスを利用している場合は、クレジットカード明細の金額を日本円に換算して計上可能です。副業デザイナーがブログ運営にかかる費用は経費として認められます。
光熱費・インターネット回線費用
副業デザイナーにとって、インターネット回線は欠かすことはできません。インターネット回線費用や電気代などの光熱費は自宅で家族と共有している場合も経費となります。ただし、「Netflix」などの動画配信サービスの視聴代などはプライベート使用の場合は按分計算します。
▼按分の割り出し方仕事に使っている金額
支払金額×仕事で使っている割合(事業割合)
光熱費においては仕事とプライベートと半々の割合で使用している場合は半分の金額を経費にします。
アマゾンで買ったもの
アマゾンや楽天市場、メルカリなどオンライン上で仕事に必要な機材を買った場合はどうでしょうか。
例えば、副業デザイナーはプリンターやウェブ制作ソフト、関連書籍など様々なものを購入します。
ウェブデザインに必要なものを購入した場合は経費として計上することは可能です。ただし、基本的に仕事用途が条件となるため、趣味や娯楽のために購入したものは経費として計上できません。
ICカード乗車券
ICカード乗車券「Suica」や「Icoca」などを使った場合は交通費として計上できるでしょうか。副業デザイナーが事務所や取引先、取材のためにICカード乗車券で移動した場合は交通費として計上できます。
仕事のための交通費は「旅費交通費」として全額経費となります。ただし、オートチャージの金額を全て交通費に計上することはできません。
例えば、Suicaに入れたチャージ料金はすべて仕事で交通機関を利用する訳ではないからです。Suicaで仕事上の交通費を支払った時は経費になりますが、チャージした料金は経費になりません。副業デザイナーはICカード乗車券の利用履歴を残すため、メモやエクセルなどでまとめておくと良いでしょう。
海外研修旅行・航空券の運賃
海外研修のために航空券を購入した場合、海外研修に必要な滞在費や交通費(航空券など)はどうでしょうか。仕事関係のイベントや社会見学、視察へ行く場合は経費として計上できます。
たとえ家族も同行した場合でも仕事をしたことが分かる資料や写真があれば認められます。ただし、プライベートの出費は旅行中の割合に応じて按分しておきましょう。
英会話スクール・オンラインレッスン・語学研修・セミナー費用
プログラミング言語を学ぶためにオンラインレッスン、英会話スクール、語学研修を受けている場合、経費になるかはケースバイケースです。仕事上に必要な場合は経費として認められますが、プライベートの範囲とみなされることもあります。
カフェでの打ち合わせ・飲食代
副業デザイナーがカフェで打ち合わせをしたり、パソコンで作業した際の飲食費は、経費として問題ありません。取引先との飲食代は会議費や接待交際費と認められますが、自分だけの食事代は不可です。
副業デザイナーの経費として認められないもの
所得金額とは売上から経費を差し引いた利益のことで、所得税はその所得金額に一定の税率をかけて計算されます。つまり、経費が増えると税金が安くなるので税金対策になるのです。
ウェブデザインの業務をするために仕入れた商品・サービスは経費に計上することができます。プライベートに使ったもの、生命保険、医療費、寄附金などは経費に認められません。生命保険や医療費は経費ではなく、確定申告の際に所得控除になります。
また、副業デザイナーは自宅で作業している場合、光熱費や家賃、固定資産税は仕事に使っているとみなす部分の按分にします。事業割合を把握するのは容易ではないため、税理士や専門家に相談すると良いでしょう。
まとめ
▼副業デザイナーの経費として認められる支出一覧
- ウェブ関連ツール
- パソコン・ペンタブ・スマホ通話料金・スマホ本体代金
- プロバイダ費用・ブログ運営の手数料
- 光熱費・インターネット回線費用
- アマゾンで買ったもの
- ICカード乗車券
- 海外研修旅行・航空券の運賃
- 英会話スクール・オンラインレッスン・語学研修・セミナー費用
- カフェでの打ち合わせ・飲食代