2020年、新型コロナウイルスによる影響を受け、多くの企業が社員の自宅でのリモートワークを採用しました。
外出自粛が解除された今でも働き方改革の波は押し寄せており、企業向けクラウド・WEBツールへの需要は急速に高まっています。
今回は、企業向けクラウドツールの中でも特に需要の高い『名刺管理ツール』について比較調査を行いました。
なぜ名刺管理ツールを使用すべきなのか、そして比較調査の結果についてご紹介します。
なぜ名刺管理をツールで行うべきなのか?
今回調査を行った『名刺管理ツール』は、企業に必須の業務クラウドツールの一つです。こちらでは、名刺管理ツールの使用が強く推奨されている理由について解説します。
働き方の変容による顧客管理体制の変化
リモートワークが注目される中、顧客情報という言葉の概念も大きく変化して来ています。
これまでは顧客情報といえば、単に会社名・氏名・連絡先のみを表すものでした。しかし現在多くの企業では、顧客に付随する詳細なマーケティング情報も含み、管理・社内共有が行われています。
同時に名刺管理ツールも単なる顧客情報管理ツールではなく、『ナーチャリングツール』として活用できる事が求められています。
このナーチャリングツールとは『見込み客を正式な顧客へと導くツール』を表します。
リモートワークが促進された事により、マーケティングアプローチの対象も変容しつつあります。アプローチも、これまで通りのような企業という母体に対してではなく、そこに所属する『個』に対して積極的に行われなければなりません。
名刺管理ツールをナーチャリングツールと連携して活用する事で、顧客情報に紐付けられた顧客の企業属性や興味、傾向を可視化し分析を行うことができます。そのため、より適切なタイミングと有効的な内容でマーケティングアプローチを行う事が可能となるのです。
名刺管理ツールが単なる情報管理ツールではなく、非常に有能なナーチャリングツールの一つとして注目を集める理由にはこのような背景が存在します。
名刺=顧客データを社内クラウド共有することでの業務効率化
名刺管理ツールをナーチャリングツールとして活用する事で、業務の効率化が促進されます。
名刺管理ツールを利用する事により、場所を選ばずスマホからでも必要な顧客のマーケティング情報をクラウドを通じて即時に閲覧することが可能となるからです。
個人情報保護法で厳しくなった名刺管理
2017年9月より『改正個人情報保護法』が完全施行され、名刺の取り扱いについてはさらに厳しい保護法が適用されました。保護法の対象が全ての名刺所持者に拡大され、紙ベースであっても五十音順にファイリングされた名刺は保護法の対象と定められたのです。
その結果、名刺の管理を厳重にする事が求められ、名刺管理ツールのようなセキュリティが構築されたデータベースでの管理が強く推奨されています。
参考リンク:
経済産業省|個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン
名刺管理ツール|ピックアップした4選を比較
こちらでは実際に比較調査を行った結果をご紹介します。今回ご紹介する名刺管理ツールは全てWEBやスマホでの使用が可能で、オンライン名刺にも対応しています。また、データの読み取りにはOCR+オペレーターの二段階校正が行われるツールを選択しています。
今回、比較を行った名刺管理ツールはこちらの4つです。
- Sansan
- CAMCARD
- BusinessEIght(+プレミアプラン)
- myBridge
比較の結果については、以下の表をご覧ください。
Sansan |
CAMCARD |
Eight |
myBridge |
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取り込み方法 |
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データ化スピード |
即日〜数日内 |
最短5秒〜翌日 |
即日〜数日内 |
即日〜翌日 |
データ化精度 |
99.9% |
90%以上 |
99.9% |
比較的高い |
費用 |
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無料 |
セキュリティ対策 |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
社内共有機能 |
可能 |
可能 |
個人プラン:不可 |
可能 |
重複確認 |
可能 |
可能 |
不可 |
可能 |
※ 2020年10月現在
Sansan
有効性の高い外部ナーチャリングツールとの連携
単なる情報管理ソフトに留まらない豊富な機能が特長
官公庁・大企業からも高い支持があり
国内シェア率ナンバーワン
初期費用 | 月額費用 | 外部ツール連携 |
---|---|---|
個別見積り | 個別見積り | ◯ |
無料トライアル | マルチデバイス対応 | 問い合わせ |
◯ | ◯ | 電話 メールフォーム |
※ 2020年9月現在
おすすめの企業タイプ
5000名以上の顧客を有する大企業および中小企業におすすめする事ができます。また名刺管理ツールを、ナーチャリングツールとして100%活用したい企業にもおすすめです。
CAMCARD Business
もう一つの人気法人向け名刺管理ツール
様々な外部ツールとの連携により
ナーチャリングツールとしても活用可能
初期費用 | 月額費用 (最安値換算) |
外部ツール連携 |
---|---|---|
無料 | 9,000円〜 | ◯ |
無料トライアル | マルチデバイス対応 | 問い合わせ |
10日間 | ◯ | 電話 メールフォーム |
※ 2020年9月現在
おすすめの企業タイプ
店舗や中小企業〜大企業など、多くのタイプにおすすめできる名刺管理ツールです。
また対応言語が17言語とSansanよりも多いため、海外の多くの拠点に顧客を抱える企業にもおすすめすることができます。
Eight(+プレミアムプラン)
Sansan 運営会社提供の
個人・中小企業向けのSNS機能付き名刺管理ツール
Sansanへのアップグレードにも対応
初期費用 | 月額費用 (最安値換算) |
外部ツール連携 |
---|---|---|
無料 | 無料〜 | 不可 |
無料トライアル | マルチデバイス対応 | 問い合わせ |
無料ツール使用 | ◯ | メールフォーム |
※ 2020年9月現在
おすすめの企業タイプ
個人事業主および店舗や小規模の中小企業(30名未満)におすすめです。
myBridge
LINEが提供する新しい名刺管理ツール
完全無料で使用可能
初期費用 | 月額費用 (最安値換算) |
外部ツール連携 |
---|---|---|
無料 | 無料 | Googleの連絡帳 データのインポート対応 |
無料トライアル | マルチデバイス対応 | 問い合わせ |
無料ツール使用 | ◯ | メールフォーム |
※ 2020年9月現在
おすすめの企業タイプ
myBridgeは、ナーチャリングツールとしては最低限の機能しかありません。
しかし完全無料で利用できる為、個人から中小企業まで多くのタイプの企業におすすめすることができます。
まとめ
今回は2020年現在、特に人気の高い4つの名刺管理ツールの比較調査結果をご紹介しました。
大量の顧客情報を抱える企業や、名刺管理ツールをナーチャリングツールとしてしっかりと活用したい企業には、やはりSansanがおすすめです。Sansanは様々な外部ツールとの連携が可能で、他の名刺ツールと比較しても機能面において突出しています。
比較的安価に名刺管理ツールを導入したい場合には、CAMCARD BusinessもしくはEightのプレミアムプランをおすすめします。特にCAMCARD Businessは対応言語数が多く海外の外部ツールとも連携が強いため、海外に多く顧客を持つ企業であれば、さらに活用できるでしょう。
名刺管理ツールの使用感を確認したい場合や小規模で顧客情報を管理したい時には、myBridgeをおすすめします。myBridgeは完全無料で使用でき、無料とは思えないほど充実した機能が搭載されています。郵送による名刺スキャンも受け付けているため、導入も非常に簡単です。
名刺管理ツールはツールによって、機能が大きく異なり、使用する環境によっても利点が異なります。
今回の記事を、ぜひ名刺管理ツール選びの参考としてください。
*こちらは、筆者独自で調査した内容であるため、情報が最新でない場合や内容に差異がある場合がございます。正式な最新情報は公式サイトをご確認ください。