「自分のプレゼンは退屈なんじゃないか」
「営業先でのプレゼンを成功させたいけどいまいち自信がない」
と思っていませんか?
社会人になると様々なビジネスシーンでプレゼンする機会が増える一方で、「プレゼンが得意」「プレゼンには自信がある」という人は少ないと思います。
実際、ベースメントアップス株式会社が2019年に実施した調査によると249人の社会人の内、「人前で話すことが苦手」と回答した人の割合は84%もいることが分かりました。
とはいえ、プレゼン上手がビジネスマンにとって非常に重要なスキルなのは間違いないでしょう。皆さんも、プレゼン上手になって営業成績を伸ばしたり、社内で高く評価してもらえたら嬉しいですよね。
そこで、今回の記事では、
・プレゼンで聴衆を惹きつける方法
・プレゼンで好印象を持ってもらう方法
についてお話していきます。
プレゼンを印象づけるテクニックをいくつか紹介していきますが、共通する重要なマインドは「聴衆への思いやりを持つこと」ただ1つです。
難しいことではないのに、これを意識するだけでプレゼンの質がグンと良くなります。
さらに、記事の後半では印象的なスライドを簡単に作成出来る便利なクラウドツールもご紹介しているので、まずはご一読を。
聴衆は自分が求めている情報にのみ興味を持つ
プレゼンで最も力を入れるべきは「聴衆が求めている内容を話すこと」です。
聴衆が求めている話とは、以下の3つ。
- 自分の役に立つ話
- 自分が好きな分野、得意な分野の話
- 自分に関係がある話
なぜなら、「人は自分に影響があることに最も興味を持つ生き物」だからです。
極端だと思う方は思い返してみてください。
例えば、経済新聞を読むとき。
自分の業種に関係するところはじっくり読む一方で、全く異なる業種の情報はざっくり目を通す程度だったり読み飛ばしたりしていませんか?
他にも、人事異動の発表が行われたとき。
自分の部署や関わりのある部署の人事異動は詳細に記憶している一方で、あまり馴染みのない他部署の人事移動の話には耳すら傾けない人もいるのでは?
つまり、人は自分に関わりがある内容だと感じなければ頭に残しておかないのです。そのためプレゼンをするときは
- 聴衆の役に立つ話をすること
- 徹底して聴衆目線で話をすること
というスタンスが超重要です。
では、具体的に聴衆が求める内容とは何なのか。
すぐに実践できるテクニックと一緒にご紹介していきます。
プレゼンの目的と結論を明確に伝える
プレゼンをするときは
- プレゼンをする目的
- プレゼンの結論
この2点を最初に言い切ってください。
なぜか?その理由は
- 自分の意図を的確に伝えることができるから
- 聴衆がプレゼンを理解しやすくなるから
です。
中には、「結論をはじめに言ったら最後まで聞いてくれなくなるのでは?」と心配する人がいますが、人は結論が見えない話を長々聞くことの方がストレスに感じます。
例えば、あなたの部署が開発した新商品を社内の営業部にプレゼンする場合。
プレゼンをする目的は「商品の強みを理解してもらい、営業部が効果的に販売促進をするよう情報提供すること」です。
もしも、結論で「ターゲット層の拡大が必要である」と伝えたいにも関わらず、それを伝える前に顧客データやグラフばかり並べたら営業部の人たちはすぐに理解出来るでしょうか。
ほとんどの人は理解出来ないと思います。
おそらく、聞き手である営業部は最後に結論を聞いた後に、理解し直すためにもう一度データを見せて欲しいと思うでしょう。
つまり、最初にプレゼンの目的と結論を提示することで話し手の意図も伝わりやすくなり、聴衆の理解の手助けにもなります。
聴衆のニーズを的確に掴むためにヒアリングしておく
ビジネスマンは、様々な場面で上司や顧客のニーズを汲み取ることが求められますよね。
当然、プレゼンの場面でも聴衆のニーズを汲み取ることは重要です。
ニーズを掴むために、まずは下記の4つの点を調査しておくといいでしょう。
①聴衆の立場は?
例:新入社員、プレゼン経験の浅いビジネスマン
②聴衆が抱えている課題は?
例:プレゼンに自信がない、プレゼンの成功経験が少ない
③これまでどんな施策を行っていそうか?
例:見栄え重視のテクニック、自己流
④課題が解決された時の理想的な状態は?
例:プレゼンで商品やサービスに好印象を持ってもらえる、社内での評価が上がる、営業成績が上がる
これに加えてプレゼンでは、話し手すなわち自分の立場に求められていることを把握しておく必要があります。
例えば、あなたが会社の代表として取引先へプレゼンしに行くのであれば
取引先のお客様は
- あなたの会社の強みや特徴
- あなたの会社と契約することによってどんなメリットがあるのか
- あなたの会社が信頼できるという証拠
などを知りたいはずですよね。
このように、聴衆の課題や求める将来像、自分の立場を調べているうちに聴衆が聞きたがっている内容が見えてきます。
聴衆のベネフィットとリスクを伝える
聴衆は
「プレゼンを聞くことで自分にどんなポジティブな変化があるのか」
「プレゼンを聞かないと自分はどんなトラブルや損失に巻き込まれる可能性があるのか」
に興味を持ちます。
これをビジネスの場では「ベネフィット」と「リスク」と言います。
ベネフィットを伝えるとは、「相手の利益になることを伝えること」。
リスクを伝えるとは、「相手の不利益になり得ることを伝えること」。
営業の取引先でプレゼンをするときに相手の立場になってベネフィットを伝えることはもちろんですが、リスクになりうることも伝えることで「この人(会社)は誠実な話し手だ」「信頼出来そうな人(会社)だ」と好印象を持ってもらいやすいでしょう。
一貫して聴衆の目線で話題を投げかけて、聞き手に「このプレゼンは自分に必要な情報だ」と認識してもらいましょう。
そうすれば、何回でも聴衆の関心を惹きつけることが可能です。
好印象なプレゼンは「分かりやすい」
いかに内容が魅力的でも、伝わらなければプレゼンを成功させることは出来ません。
聴衆にわかりやすいようにプレゼンをするコツをみていきましょう。
視覚と聴覚が与える印象を利用
プレゼンの最大の特徴である「視覚」と「聴覚」の効果を最大限に活かすべし。
文書(文字)だけでも済ませられる内容をわざわざプレゼンするのは、それだけビジネスの場面でプレゼンが人の心を動かす力を持っているからです。
ただし、人の心を動かすのはハッキリ言って簡単ではありません。
なので、プレゼン慣れしていない人はまず視覚的にも聴覚的にも「最大限分かりやすく伝える」ことを意識しましょう。
▼視覚的に分かりやすくするコツ▼
- スライドの文字は必要最低限にする
- 図表やイラストで示す
- 重要な数値や文章は色を変える
- 聴衆の気が散るような身だしなみをしない
- テーマによって明るい表情や驚きの表情を出せるといい
- 注目して欲しいところで身振りや手振りを入れる
▼聴覚的に分かりやすくするコツ▼
- 聞き取りやすい滑舌、声の大きさで話す
- 重要なところで声を貼る
- (女性の場合)甲高い声であれば少し低めに話す
- 早口になりすぎないようにする
イメージしやすい具体例を挙げる
人は身近なイメージを使って例えられると理解しやすい傾向があります。これを心理学では「シャルパンティエ効果」と呼びます。
例えば、
「このサプリはビタミンCが2000mgも配合されているので美容効果があります」
と言われるよりも
「このサプリはレモン果汁100個文のビタミンCが配合されているので美容効果があります」
と言われた方が理解しやすいというものです。
プレゼンでも何かを伝えるときは、聴衆のイメージしやすいものに置き換えた具体例を話すように意識してみてください。
プレゼン上手ほど練習・準備をしている
プレゼンが上手な人は総じて「プレゼン経験が豊富」です。そして、プレゼンが失敗してしまう1番の理由は「練習量が足りていないから」です。
私自身も学生時代はプレゼンが大の苦手で人前に出ると頭が真っ白になってしまうプレゼン下手でした。しかし、就職活動と社会人になってからは「あること」をしてプレゼン嫌いを克服しました。
それは「自分がプレゼンしている姿を動画に撮ること」。
自分の姿を動画で見るのは初めは抵抗があるかもしれませんが、
- 話の間合い
- 声の大きさ
- 目線
- スライド資料の見やすさ
- くどい言い回し
などが恥ずかしいほどよく分かります。
大体10回くらい撮り直すと納得のいくプレゼンが出来るようになるので、今度は通勤中や発表前にイメージトレーニングとして自分の動画を見ると緊張がほぐれておすすめです。
動画の撮影が大変な場合は携帯のボイスレコーダーで音声だけ録っておくのも簡単で効果的です。
便利で印象的!ビジネスのスライド作成はクラウド型ツールが◎
プレゼンというとマイクロソフト社のパワーポイントが思い浮かぶ人が多いと思いますが、最近はデータをオンライン上で扱えるクラウド型ツールの人気が高まっています。
クラウド型プレゼンツールの便利な機能
大半のクラウド型プレゼンツールは以下の基本性能を備えています。
- クラウド上で共有できる
- クラウド上で同時編集できる
- パワーポイントとの互換性がある
これに加えて、以下のような機能がツールの種類や料金によって変わってくるので導入するときはこれらの項目を比較してみるといいでしょう。
- オフラインで使用できるか
- アプリのダウンロードが必要か
- クラウドのストレージはどのくらいか
- 同時に編集できる人数
- 特殊なアニメーション機能
- テンプレートのデザイン数
- CSSカスタマイズができるかどうか
その他、図形の大きさに合わせて文字の大きさを自動で変換してくれたりSlackと連携できたりツールによって様々なメリットがあるので、プレゼン資料を効率的に作る心強い味方になってくれるでしょう。
代表的なクラウド型ツール
PowerPoint Online
マイクロソフトが公式で無料で提供するクラウド版のPowerPointです。
機能に制限はありますが、従来のPowerPointとほぼ同様のプレゼンが無料で作成、保存、編集はもちろんクラウド共有、クラウドで同時編集も出来ます。
さらに、月額1,284円のプレミアム機能に移行すれば
- 複数のデバイスで作業
- クラウドストレージ1TBまで使用可能
- オフラインでの作業が可能
- Windows,macOS,iOS,Androidで動作
などが可能になります。
従来のPowerPointでの操作が馴染んでいて使いやすい、
共有するユーザーも使いやすい
PCにPowerPointをインストールしていないけど使用したい
USBでの保存や情報共有はしたくない
という人におすすめです。
Google スライド
PowerPointやKeynoteの次に使用されているプレゼンテーションソフトと言って良いほど現在メジャーになってきているのが「Google スライド」です。
最大の特徴は「Googleアカウントがあれば無料で利用できる」という点。
PowerPointを使ったことがあれば似たような感覚で操作ができ、無料でオフラインでの作業ができるというメリットもあります。
フォントの種類が限られているのが残念ですが、「アドオンを取得」すると追加したい拡張機能が簡単にダウンロードできるので一度カスタマイズしてしまえば気にならないでしょう。
Google スプレッドシートから挿入したグラフや表はスライドと連動させることが出来るのも便利です。
まとめ
人を惹きつけるプレゼンの本質は「聴衆を思いやること」。
人前で話すとなるとつい緊張してしまい自分の魅せ方が気になってしまいがちですが、まずは聴衆がどんな悩みや未来像を抱えているのか、どんな伝え方が分かりやすいか徹底的に相手目線でプレゼンすることが重要です。
また、現在は無料で使えるクラウド型プレゼンツールも豊富にあります。
遠隔配信や同時編集が可能だったり、デザイン性の高いスライドや凝ったアニメーションを取り入れることが出来るツールを使ってみるのも、人を惹きつけるのに効果的でしょう。
クラウド型プレゼンツールの細かい特徴や比較は別記事にまとめる予定なので、良かったらそちらも参考にしてみてください!