営業を仕組化!MAツール導入のメリットと製品比較について
企業のマーケティング担当者であれば、一度はMA(マーケティングオートメーション)について耳にしたことがあるのではないでしょうか。
Webマーケティングを含むデジタルマーケティングを担当している方はもちろんのこと、これまでWebマーケティングを実践していなかった企業も、本屋やニュース、さまざまな情報源からMAツールの存在を知る機会が増えてきています。しかし、実際にMAツールとはどのようなもので、どんなメリットがあるのかが分からない方も多いと思いますので、今回はMAツールについて、できることや導入のメリット、代表的なツールをご紹介していきます。
MA(マーケティングオートメーション)について
まずは、マーケティングオートメーションについて、正しく理解していきましょう。
MAとは
MAとは、マーケティングオートメーション(Marketing Automation)の略で、その名の通りマーケティングを自動化するというものです。
企業のマーケティング活動にはさまざまな活動がありますが、その一つに対面型の営業活動があります。
営業活動を行うためには、一般的にはウェブサイトに訪問した方へのアプローチ、見込み客になった方へのアポイント、対面式の面談といったようなn流れがありますが、これらの一覧の流れを仕組化できるのがMAとなります。
MAツールでできること
MAツールでできることには、以下のようなものがあります。
・セグメントメールの送信管理機能
・トラッキング機能
・スコアリング機能
・パーソナライズ機能
これ以外にも多くの機能が存在しますが、MAツールを利用することで、上記のような機能を利用して顧客へのアクション管理や効果的な営業活動行なうことができます。
MAツールが普及した背景
次に、MAツールが普及した背景についても見ていきましょう。
購買モデルの変化
これまでの購買モデルにおいては、AIDMAやAISASという流れが一般的でしたが、現代においては電通デジタル・ホールディングスが提唱したDECAXという購買モデルが消費者の購買行動に近いと考えられます。
このDECAXは、「発見」「関係」「確認」「購買」「体験」といった流れで消費者が行動しているというものですが、MAツールが普及した背景には、このような購買モデルの変化によりマーケティング活動も変化してきたことで、MAツールの様な仕組化するツールが注目されたと考えられるでしょう。
生産性向上が不可欠
また、マーケティング活動を自動化、仕組化する理由の一つに、労働人口減少の問題による人手不足が挙げられます。
これからは超高齢化社会となり、労働人口が減少していくことは目に見えているため、その中で企業は生産性向上が不可欠となります。
こういった背景から、マーケティングを自動化・仕組化できるMAツールが普及してきたと考えられるでしょう。
MAツール導入のメリット
次に、MAツール導入のメリットについても見ていきましょう。
顧客の取りこぼしを防ぐ
MAツールを導入する利点の一つに、顧客の取りこぼしを防ぐことができるという点があります。
MAツールを利用せずにマーケティング活動をしていると、アクションするタイミングを逃したり、定期的なメール配信を遅らせてしまったりといったヒューマンエラーが起こるケースがあります。
この場合、最適なタイミングで営業活動ができていないため、売上に繋がる契約や販売が、タイミングがずれたことで取りこぼしてしまうことがあります。
このようなことを防ぐのがMAツール導入のメリットと言えるでしょう。
質の高い商談ができる
MAツールを利用することで、マーケティング活動を仕組化できることで、理想的な商談を行うことができます。
例えば、顧客のトラッキング情報から、ある一定のポイントに到達したユーザーのみに、ステップメールが送られるなど、アプローチを自動化・仕組化できるため、質の高い商談を可能にします。
理想的なタイミングで理想的なアプローチをすることで、質の高い商談を行うことができ、売上を高めることができるでしょう。
「営業マン個人の能力に依存しない営業が可能に
営業マン個人の能力に頼る営業を行っている企業は、辞めてしまうリスクがあったり、営業マンがわがままになったり、売上が月ごとに波があったりしますが、MAツールを利用することで、営業方法を統一し、能力差を引き起こさない安定した営業ができます。
つまり、「営業マン個人の能力に依存しない営業」が可能となります。
MAツールの代表例
ここからは、MAツールの代表的なツールを見ていきましょう。
SATORI
SATORIは、SATORI株式会社という東京の企業が提供しているツールで、テレビCMでは上戸彩さんを起用し2020年2月から放映されているサービスです。
MAツールとしては、国産としては最大級のユーザー数を誇るサービスで、現在800社以上が利用しています。
ツールの特徴
SATORIの特徴としては、データベースの設計や導入作業がなく、計測タグを埋め込むだけでスタートできるという手軽さで、初心者マーケターでも簡単に利用できるという点があります。
また、純国産のMAツールとしてUIなども日本人向けに設計されており、日本のスタッフがサポート対応してくれるので安心して利用できます。
費用面について
SATORIを利用するためには、まずは初期費用として300,000円(税別)、月額費用として148,000円(税別)かかります。
有料オプションもあるため、詳しい見積もりが欲しい場合には、Webから見積もり依頼することをおすすめします。
b→dash
おぎやはぎさんのCMが特徴的b→dashは、東京に所在を置く株式会社フロムスクラッチという企業が提供しているサービスです。
スマートデータ社会の実現をテーマに、MAツールを提供しています。
ツールの特徴
b→dashは、MAツールとしては一般的なメールや広告連携とは別に、LINE連携やPush通知、BIやWeb接客尚、このツール一つでできることが多く、使いたい機能を自由にカスタマイズできることが特徴的です。
同社が開発している「Data Palette」という機能により、SQLを利用しないノープログラミングでのデータ取り込みやデータ活用が可能となっています。
費用面について
b→dashは、月々50,000円から利用することができます。
詳しい料金体系については公表されていないため、実際に利用するとどれくらいの費用感になるかは、個別に見積もりを取ることがおすすめです。
Marketo
Marketoは、アドビ株式会社が提供しているMAツールで、元々は株式会社マルケトという企業が開発したものを、アドビ株式会社と統合した形となります。
Marketoの特徴や費用面を見ていきましょう。
ツールの特徴
Marketoの特徴は、匿名の顧客情報からロイヤル顧客情報(ファンになった顧客層)に至るまで、つまり、認知から再購入に繋がるまでのデータ収集、顧客体験の設計を行い、一貫性を持った顧客体験を提供することが可能になるツールです。
製品の使い勝手の良さとパートナー支援により、計画した施策の実現性を高くすることが可能となっています。
費用面について
Marketoは、金額はデータベースのサイズによって変動するため、一概には言えませんが、4つのプランで提供しています。
「SELECTプラン」「PRIMEプラン」「ULTIMATEプラン」「ENTERPRISEプラン」と利用する目的に合わせたプランの選択が可能です。
Pardot
Pardotは、株式会社セールス・フォース・ドットコムが提供しているサービスで、同社では、セールスフォースというツールも提供しており、そちらのサービスの方で名前を聞いたことがある人も少なくないでしょう。
ツールの特徴
Pardotの特徴としては、BtoBに特化したMAツールというのが特徴で、見込み顧客に動きがあった場合に通知が届いたり、独自のスコアリングやランク付けシステムにより、見込み顧客に向けて質の高いアプローチしたりすることができます。
また、アプローチ方法についても、顧客との接点を管理し、顧客に合った対応が取れるようにサポートしてくれるのも魅力です。
費用面について
Pardotは、標準的な機能で150,000円(税別)、アナリティクスも搭載した機能で300,000円(税別)、人工知能などの高度な機能が付いたプランで480,000円(税別)となっています。
Oracle Marketing Cloud
Oracle Marketing Cloudは、その名の通りOracleが提供しているツールで、Oracleと言えばデータベースというほど、ITベンダー企業の中では有名な企業です。
このOracle Marketing Cloudについて、ツールの特徴や費用面を見ていきましょう。
ツールの特徴
Oracle Marketing Cloudは、導入企業として日本電気株式会社やナノ・ユニバースなど大企業が利用しているツールとして品質の高さは間違いないツールと言えます。
Oracle Marketing Cloudが提供しているサービスには、データマネジメントプラットフォームやクロスチャネルオーケストレーションなどがあり、その中の一つにMAツールが含まれています。
ナーチャリングのフローを自動化し、見込み客の確度が高くなったタイミングでアプローチできるようにサポートしてくれるツールです。
費用面について
Oracle Marketing Cloudの費用は公式サイトでは公表されておりません。
基本的には見積もりを取る形になるでしょう。
Oracle Marketing CloudにはMAツール以外の機能として、「Oracle Responsys」「Oracle BlueKai」「Oracle Maxymiser」「Oracle Eloqua」などがついています。
Oracle Responsysは、クロスチャネルマーケティングの機能で、各チャネルで分断されたデータを統合することで、チャネルの枠を超えて最適なタイミング・チャネルでアプローチを可能とします。
また、Oracle Maxymiserでは、A/Bテストなどを利用して、ユーザーごとに最適な顧客体験を提供することが可能になります。
このような多くの機能が含まれているOracle Marketing Cloudでは、これ一つでデジタルマーケティングを最適化することが可能です。
まとめ
ここまで、MAツールについて、MAツールとはどのようなものか、普及した背景やメリット、代表的なツールについてご紹介してきました。
マーケティングオートメーションをこれからはじめて利用する方で、不安が多い方には、充実のサポート体制と、導入作業の手軽さという面でSATORI株式会社が提供しているSATORIがおすすめです。
また、カスタマイズの自由度や、多機能を重視したいという方は、株式会社フロムスクラッチが提供しているb→dashがおすすめです。
このように、目的ごとに選択すべきMAツールは異なりますので、まずは自社の目的を明確にし、その目的に合ったMAツールを検討すると良いでしょう。
これからのマーケティング活動を仕組化するためにも、MAツールの導入を検討してみてください。